今は、たくさんの日本人選手が海を渡り、活躍の場を海外に移していますね。
その中でも特に注目されている選手といえば、今季セリエAのボローニャからプレミアリーグのアーセナル所属に完全移籍した冨安健洋選手ではないでしょうか。
今回はそんな冨安選手について考察していこうと思います。
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今まで所属したチームのポジションは?
冨安健洋選手がプロ選手として、スタートしたのはJリーグのアビスパ福岡です。
高校2年生の時に、2種登録されたことで天皇杯で公式戦デビューをはたしています。
高校3年生の時にトップチームに昇格すると、その年のリーグ第3戦でボランチとしてデビューしています。
その後は、3バックの左右とボランチで使われることになっていきます。
その時の監督が「アジアの壁」と言われた井原正巳さんで、最初から3バックの中央でプレーさせるとプレッシャーも大きいことを考慮して、比較的守備の負担が少ないボランチや3バックの左右でプレーさせることで大事に育てようという意図があったようです。
その後、海外志向の強かった冨安選手は、ベルギー1部のシント=トロイデンVVに完全移籍することになります。
シント=トロイデンVVでのポジションは、センターバックで活躍しています。
持ち前の高さと速さを活かして活躍していた冨安選手ですが、当時のコーチからはパスの質を向上させろと指示があったそうです。
より正確に真っすぐ蹴ることを要求された冨安選手は、全体練習前後に毎日欠かさず壁に向かってボールを蹴り続け、
コーチ陣から止められても止めなかったそうです。
あの前線へのロングフィードや楔(くさび)のパスはこの練習あっての事だったようです。
毎日の積み重ねを行い、チームの主軸となった冨安選手は1年半後、さらに飛躍の場所を手に入れます。
イタリア1部リーグのセリエAボローニャへの移籍が決定します。
これまで通り、センターバックでプレーするものと思われていたが、ミハイロヴィッチ監督は冨安選手を右サイドバックとして起用しました。
ミハイロヴィッチ監督も現役時代に左サイドバックからセンターバックにポジションを移したように、若い冨安選手を1シーズン右サイドで起用しようと考えていたのではないかと思います。
周囲からの反応は賞賛の意見が多かったが、本人は初めてのポジションで連係ミスでの失点などもあり、反省の1年だったようです。
2年目はセンターバックでの出場が増えていたが、1年目同様サイドバックでもチーム状況により出場していました。
このユーティリティ性も冨安選手の魅力の一つだと思います。
そしてついに冨安選手は、世界最高峰のリーグの1つであるプレミアリーグのアーセナルへの移籍が決定しました。
今回の移籍が今までと違うことは、アーセナルが誰もが知るビッグクラブであるという事と、センターバックのポジションでの獲得ではなく、右サイドバックとしての補強の意味が強いという事です。
リーグ開幕から3連敗だったアーセナルは、第4節ノリッジ・シティ戦で加入して間もない冨安選手を右サイドバックで先発起用しました。
この起用も期待の表れだと思います。
62分の交替までプレーし、見事1対0の勝利に貢献し、今現在も右サイドバックで高いレベルを維持しながら出場を重ねています。
冨安選手の今後のポジションは?
日本代表では、センターバックを努めている冨安選手ですが、アーセナルでは当面右サイドバックが主戦場になると思います。
理由は、アーセナル特有の左肩上がりの非対称システムにあう選手が冨安選手しかいないというのが一番の理由になると思います。
どういうことかというと、現在のアーセナルの左サイドバックはティアニー選手がドラクエの作戦でいうと「ガンガンいこうぜ」と言わんばかりに攻撃参加していきます。
将棋の駒でいえば「香車」のような存在です。
余談ですが、このティアニー選手ですが、日本人選手と深い繋がりがあります。
元日本代表で現横浜FCに所属している中村俊輔選手がスコティック・プレミアリーグのセルティックに在籍している時に、セルティックのジュニアチームを訪問した際に、その時うまいプレイをしていたジュニアの選手にスパイクをプレゼントしたことがありました。
その選手がティアニー選手なのです。
なんだかおもしろい縁ですよね。
アーセナルはリーグでも有数のアタッキングサイドバックの攻撃力を活かす布陣を敷いているので右サイドにはそれをカバーできる選手を入れなければいけません。
ティアニー選手が上がったスペースをセンターバックがスライドして対応します。
それに呼応するように右サイドバックの選手はセンターバックと同じ動きをしなければいけないのです。
冨安選手はもともとセンターバックの選手であり、選手同士の距離をとるのに長けています。
188cmと長身で空中戦も強いのでこのシステムに見事にマッチしています。(11:40~ 解説しています)
アーセナルのGOAL記者であるチャールス・ワッツ氏もインタビューの中で冨安選手が右サイドに入ればアルテタ監督の言っているようになる可能性が高いと思っているようです。
なので、当面は右サイドバックで出場することになると思います。
アビスパ福岡時代に、3バックの経験もある冨安選手なのでうまくこなせているのでしょう。
しかし、プレミアリーグは対人強度の強いリーグとしても知られているので、今のセンターバック2枚だけでシーズンを乗りきれるとは思えません。
必ずどこかでセンターバックでの出場もあると予想しています。
冨安健洋は日本代表でどういうプレー・ポジションになるか?
冨安健洋選手は日本代表ではどうかというと、これはセンターバック以外に考えられません。
今コンビを組む吉田麻也選手との息もピッタリですので、ここを変える選択肢はないかと思います。
というよりもこの二人に割って入るようなセンターバックが出てきていないことのほうが気になります。
唯一対抗馬で上がってきそうなのは、ドイツ2部のシャルケに移籍した板倉選手くらいでしょうか。
右サイドには、酒井宏樹選手も健在ですし、ワールドカップまではこのまま行くと思います。
冨安健洋の“トッテナム破談”発言、英国で思わぬ波紋の真相
ネットで話題となっている元日本代表の内田篤人さんとのオンライン対談の内容ですが、これは単純に間違って翻訳されただけだと思いますが、この2チームには同じノースロンドンを拠点としているライバルチームであり、昔からの因縁があることが根底にあります。
ただ今回は、この移籍の流れになった部分をお話しようと思います。
もともと、トッテナムは冨安選手の獲得を前々から進めていました。
本人が言っているようにトッテナムに行く予定だったと話しています。
しかしトッテナムの右サイドバックにタンガンガ選手が所属しているのですが、思いがけずレベルアップしてきたのです。
この選手は冨安選手と同じ守備力の高いタイプの選手であったため、同じタイプの選手を獲得する必要がなくなってしまいました。
そこで次に補強を進めて獲得した選手がブラジル代表のエメルソン・ロイヤルという選手だったのです。
エメルソン・ロイヤル選手はアーセナルも獲得に乗り出していた選手で、当初は冨安選手よりも獲得に近い選手でした。
しかし、
で、移籍市場最終日にアーセナルの移籍が決定しました。
選手の移籍の時には、よくある話ですがライバルチーム同士というのが話を大きくしてしまったように感じます。
この移籍が成功だったかはこれからの選手のプレーでわかることなので、サポーターは温かく見守ってあげてほしいですね。