この記事はテレビ局に就職をしたい人、転職をしたい人に向いています。
テレビ局にはどんなイメージをお持ちですか?
華やかな職業、でも勤務状況はしんどそう・・・。入社の倍率が高そう!憧れる世界ではありますが、ちょっとハードルが高く感じてしまいますよね。
そこで今回は、元TV制作ディレクターの私が「テレビ局の実情」について、徹底的にご紹介していきます。
実際に働いてきた私だからこそ、皆さんにお伝えできることがあるのではないかと思っています。
ぜひ、参考にしてください。
・テレビ局に就職・転職したい
・テレビ局って、実のところどうなの?
・テレビ局に憧れている
・テレビ局はきついと聞くけど、本当なの?
・テレビ局員の年収が気になる
Contents
私がテレビ局を志望した理由
もともと大学時代に、テレビ局でアルバイトをしていた私。某テレビ番組の学生出演者として、テレビに出るというありがたいお仕事をしていました。
東京という華やかな場所で、さらに憧れのテレビ局でアルバイトができるなんて、本当に毎日が楽しくて仕方ありませんでした。
大学3年の夏ごろには、自分の進路について考えることになった私ですが、迷いもなく「アナウンサー」になりたかったです。
アナウンススクールにも通って、本格的にアナウンサーになるために動き出していました。
そう、私がテレビ局を志望した理由は「憧れ」以外の何ものでもありません。
テレビ局に関わることに憧れていたんです!
でも、昔からテレビっ子であったのは間違いありません。
特に大好きだったのは、日本テレビの「24時間テレビ」です。
始まる1週間前からソワソワして、24時間テレビが始まるとテレビにかじりついて、涙をボロボロ流していた私。高校時代には、ボランティアに応募して、運営する側の大変さも知りました。
そのようなこともあって、私は日本テレビが第一志望!そして、日本テレビ系列の地方局にもどんどん応募していこうと思っていました。
履歴書の準備はこうやった!
マスコミという特殊な世界に飛び込んでいく以上は、人と同じような履歴書では合格するはずがないと思っていました。
そこで、私は「2つのこと」を実行に移しました。
宣材写真をプロに撮影してもらった
テレビ局の採用試験には、びっくりするほどの書類が集まると聞いていましたので、その中から「一瞬で不合格にならないためにはどうしたらよいのか?」を考えました。
第一印象が大事だと思ったので、プロに宣材写真を撮影してもらいました。
写真撮影が結構高かったのですが、3時間コースで5万円ほどでした。
「アナウンサー 宣材写真」「マスコミ 就職 写真」で検索をすれば、写真スタジオの情報やセルフで撮影するときのポイントが掲載されているページがヒットします。その中から選択するとよいと思います。
ネタを集めた
アナウンサーを目指す場合だけではなく、マスコミを目指す場合は、ちょっとふざけることも必要です。「え?あなた、こんなことをしていたの?」と面接で突っ込んでもらえるような小ネタ集めに奮闘しました。
後でお話をしますが、私はアナウンサー志望→不合格→総合職で受けなおし→合格→テレビ制作ディレクターとなるわけですが、総合職の試験にもとても役立ちました。
ちなみに、小ネタはこうして集めました。
・海釣りに出かけて、魚を釣り上げたときの写真を撮影する
・地元の観光名所を両親と巡っている写真
・大盛りグルメにチャレンジしている写真
ポイントは、宣材写真とは違う「素の自分」を見せることです。
また、海釣りや観光名所など、相手が思わず聞きたくなるような小ネタを履歴書に散りばめておくことです。
結果、アナウンサー職は最終審査の一歩手前で不合格
アナウンサーはものすごい倍率ですし、中には「最初からコネで決まっているのだから、無理だよ」と同じくアナウンサーを目指している友人から言われることもありました。
結果、アナウンサー職は8社すべてが不合格でしたが、一番いいところまで行ったのが、大好きな日本テレビでした。
私は、その後どうしてもテレビ業界を諦めることができず、アナウンサー職ではなく「総合職」で目指すことにしました。
不合格だった日本テレビを第一志望として、日本全国の日本テレビ系列の局を受けていきました。
結果日本テレビは第6次審査で不合格となりましたが、その結果を強みとして、日テレ系列の地方局には採用となりました!
たくさんの局を受けていくうちに、自分のことをどのようにPRしたら良いのかもつかめてきましたし、なにより場数を踏んで平常心で面接や筆記試験に臨めたことが一番大きかったです。
地方テレビ局の年収は?
テレビ局と言っても、キー局・準キー局・地方局で年収には大きな差があると思っています。
正直なところ「マスコミに入れればいいや。お給料は気にしない」というスタンスで入社しました。
入社1年目は試用期間があったり、夏のボーナスが出ないということもあって、年収は380~400万程度でした。
しかしながら、急激に手取りの金額が伸びていったのは入社2年目からです。
その理由は、残業時間が増えたからです!局にもよりますし、どこの部署に配属されるのかによっても大きな差が出てきます。
ちなみに、私の配属された「制作部」は一般的な情報番組だけではなく、ドキュメンタリー・スポーツ中継・市政番組など何でも作ってしまうセクションだったので、残業時間が膨大でした。
入社3年目(24歳)には、年収500万円程度になっていました。
入社3年目になっても、お金を使う暇もなく働いていたので、自分の給与明細を細かくチェックしたことは正直ありませんでした。
休みについて
休みは、ひたすらなかったという記憶しかありません。
土日はスポーツ中継や生放送の番組中継などが立て込んでいたので、ほぼ出勤していました。
特に生放送の場合は、入念なリハーサルを行う必要があるため、オンエア時間の6~7時間前に現地に出向くことになるので、深夜2時とか早朝の4時に出勤することも珍しくはなかったです。
たまに平日に休みがとれても、一緒に映画に行ってくれるような平日休みの友人がいなかったので、1人で映画に行って爆睡することも珍しくはありませんでした。
マスコミに勤める以上は、きちんと休みが取れるなんて思っていませんでしたが、さすがに「休みがなくて、体力がきついなぁ」と感じていました。
残業はしたくない・プライベートを充実させたい・土日は休みたいという人は、マスコミ業界には入らない方がよいと思います。
人間関係について
テレビ制作ディレクターの仕事をしていて感じたのは「家族よりも会社の人と、一緒にいる時間が長い」ということです。
泊まりの仕事の時には「何食一緒に食べているんだろう」とふと思ってしまうほどに一緒の時間を過ごしていますし、編集で追い詰められている時も狭い空間に長時間一緒にいます。
とにかく、一緒にいる時間が長いんです!
ですから、気が合う人とは仲が深まりいい仕事ができますし、例え苦手な人がいたとしても、扱い方が分かってきて気持ちが楽になってきます。
マスコミ業界は変わっている人が多いと言われているので、最初から人間関係には苦労するのだろうと思っていました。
確かに職人気質の人が多い世界ということもあり、強い口調には少々参ったこともありましたが・・・何とか楽しくやっていたと思います。
疲労について
疲労は、常にたまりにたまっていた状態でした。20代前半で体力も気力もある年代ではありましたが、テレビ制作ディレクターになって1番感じていたのが「精神的な疲労」です。
ディレクターの仕事は、常に現場でスタッフ全員の動きを指揮して、先頭に立って番組を運行していくことでした。
20代前半の右も左もわからない女子が、自分よりも年上のカメラマンや音声さん、アナウンサーさんに的確な指示を出さなければいけないというプレッシャーがとてつもなく大きかったです。
生中継の前には「時間内にきちんと終了できるかな」「CMがきちんと入るかな」「アナウンサーが食べる料理は、ホカホカの状態で出るだろうか」など、全体を見ているからこそ、色んな心配ごとがありました。
精神的な疲れが、肉体的な疲れにつながっているのだと思っています。
どうして退職したのか?
頑張って入ったマスコミ業界、テレビ局。必死に働いたテレビ制作ディレクターとしての日々はとても楽しかったのですが、とにかく体が悲鳴をあげていました。
「いつかはママになりたい」と昔から思っていましたが、働きすぎてあまりに体がボロボロなので、このままでは子供を産むタイミングがつかめないのではないかと思いました。
カメラや三脚、テープなどの重い荷物を運ぶのが当たり前になっていましたが、お腹に赤ちゃんがいる状態ではきっと無理でしょう。
不規則な生活、偏った食生活、大きなストレス・・・女性として、母になる夢は叶わないのではないかと考えました。
せっかく入社した憧れのテレビ局、嫌になって辞めたわけではありませんが、一番は「ママになる夢が叶いそうになかったから」という理由で辞めました。
制作部内の女性の先輩は結婚適齢期なのに、みなさん独身でしたし、上司からも「この部署は身軽でないとなかなか務まらないよな」と言われました。
もちろん、そのような発言はセクハラ・パワハラなどと言われる時代ではありますが、どこの会社も少なからずあるのではないかなと思っています。
テレビ局での日々は、今の自分にプラスになっている
今回は、元テレビ制作ディレクターの私が経験したことを、じっくりとお話しました。
「年収の高い仕事につきたい」「がっつり稼ぎたい」と思うのなら、正直な話テレビ局ではないのかもしれません。テレビ局にも制作の他に、営業・編成・経理・総務などさまざまな部署がありますが、どの部署もとにかく忙しいです。
効率的にがっつり稼ぐという働き方は、むずかしいかもしれません。
アナウンサーと総合職は別モノですね!テレビ局で働いてると、同期や先輩後輩から良いなアと言ってもらえますが、実際は体力勝負ですよ!
しかしながら私の場合、テレビ局での日々は、今の自分にプラスになっています。
決して楽ではない環境で、必死に働いた経験は大きな宝物であり、年収も同年代の平均以上をもらっていたという状況は、すごく恵まれていたと思っています。
テレビ局への就職・転職を希望する方へ。体力と精神力が必須の業界です!
覚悟を決めて、挑戦してくださいね。